産業保安で行動計画策定 経営トップは積極的関与を 「学習伝承」の支援強化図る 石化協
2013.08.15
【安全スタッフ ニュース】
石油化学工業協会は、産業事故の防止に一層の力を入れるため、「産業保安に関する行動計画」を策定した。2011~2012年に相次いだ化学プラントでの爆発火災事故を受け、会員企業と業界の取り組む事項を示したもの。
事故の背景について、「従来のような設備や工事に起因するものではなく、分解反応の暴走など異常な化学反応に関する認識がなかった」と分析。経営トップがリーダーシップを発揮し、保安に積極的に関与するとしたうえで、課題への取組みを着実に進めるために、リスクアセスメント、情報の活用、ノウハウの伝承など「学習伝承」に関係する取組みを強化することが必要としている。
具体的にはトップ自らが、「安全が全てに優先する」「コンプライアンスの遵守」などの意思を表明。メッセージを従業員一人ひとりに行き渡るようにし、産業保安への適切な人員配置や設備配分を明確にすることが重要とした。
石化協では、会員の活動を支援するため、年1~2回のトップセミナー開催や好事例の紹介などを実施し、相互啓発を図っていく予定だ。
また、学習伝承では、事故情報を共有化して会員に事故状況や原因を分かりやすく提供するとともに、保安や設計の知識が豊富なベテランが現場管理者に経験を伝える巡回セミナーを全国で開催するとしている。
平成25年8月15日第2192号 掲載