五輪工事の労災防止 管理者教育を重視へ 建災防
建設業労働災害防止協会は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会関連工事での労働災害ゼロを目指し、管理監督者や安全担当の責任者向けの安全衛生教育を重点的に行う。昨年度、厚生労働省から受託した「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に係る建設需要に対応した労働災害防止対策事業」の2年目に当たっての取組み。首都圏などを中心に講習会などを開催する予定で、約3000人の受講者を見込んでいる。
同事業では、首都圏における建設工事現場や建設業で働く人々を対象に、安全衛生教育や技術指導などの実施によって、安全管理の徹底を図ることを目的としている。
今年度は、「新たに管理監督者などに向けた教育をスタートさせる」(建災防)という。総合工事業(元請け)の管理監督者、専門工事業者の安全衛生管理担当の責任者およびこれに準ずる者が対象で、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県で各6回開催し、受講者数は720人以上を想定している。
昨年度に続く新規入職者、再教育などのカリキュラムを合わせると、受講者数は2920人以上と概算している。
建設工事に対する助言指導(現場パトロール)も行う。東京をはじめとする1都3県の現場で、840件以上を予定しており、昨年度に比べて240件増の態勢で臨む方針だ。
昨年度の指導状況をみると、指摘件数で最も多かったのは、「作業手順書の作成」(68件)で、次に「指差呼称の実施」(64件)が目立った。「足場の設置等」(56件)や「開口部の養生措置」(29件)も少なくない。チェックシートを用いた指導員による適切なアドバイスにより、災害防止に向けた大きな効果が期待されている。