清掃中の針刺し災害が増加傾向 東京ビルメン協会
2018.05.10
【労働新聞 ニュース】
公益社団法人東京ビルメンテナンス協会(佐々木浩二会長)は、外装ガラス窓や建物内の清掃・点検などを行っている最中に発生した労働災害をまとめた事例集(写真)を作成し、会員企業に注意を呼び掛けている。転倒・墜落災害が多数を占める一方、重篤な感染症を発症する恐れもある「針刺し」が増加しているとして警鐘を鳴らしている。
同協会は「インスリンを注射する人が増えていることで、ホテルやテナントビルのトイレ清掃中に、使用済みの廃棄された針を刺すケースが増加している」と強調。最悪の場合、肝炎などを発症する可能性があり、多額の損害賠償につながる恐れもあるとした。
発生原因として、「目が届きにくい場所の確認が十分でなかった」「清掃に使っていたモップの房に注射針が絡まることを想定せず、労働者への教育が足りなかった」などを挙げる。再発防止に向け、フラットモップへの変更や顧客への注意喚起を求めた。
平成30年5月14日第3160号3面 掲載