過労死大綱改定で勤務間休息を追加 厚労省
厚生労働省は、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の改定案を取りまとめた。労働時間や年次有給休暇の取得など数値目標に関する部分を新たに項目として盛り込むとともに、国が行う重点対策に勤務間インターバル制度の推進を追加し、数値目標を定めることを明確にした。
従来、大綱の「基本的考え方」に盛り込まれていた数値目標を、別途項目として示すことで現状と課題に前向きに取り組む姿勢を強調している。
労働時間については、2020年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下にするとし、年次有給休暇の取得では、同年までに取得率を70%以上とするとしている。
2022年までにメンタルへルス対策に取り組んでいる事業場割合を80%以上とするなどとした。
今回、国が取り組む重点対策の啓発分野に初めて加わったのは、勤務間インターバルの推進だ。EU(欧州連合)加盟国で、1日24時間につき最低連続11時間の休息時間の確保を義務化していることを参考に、勤務間インターバル制度の実態把握や、導入促進を図る取組みを進めるという。
同制度を導入する中小企業への助成金の活用や好事例の周知の必要性を明記。導入に当たっては、業種や職種ごとの特性を踏まえた取組みの推進が重要との見方も示した。
数値目標に関しては、今後話合いのなかで決定されるが、2つの論点を明らかにしている。
制度を導入していない企業が92.9%に上り、そのうち「制度を知らなかったため」と回答した企業が40.2%に及んだことを受け、現状の大幅な改善を目指す数値と、制度の導入企業の割合が1.4%にとどまる実態を考慮した数値を検討する予定だ。