睡眠不足で事故 理解促す教育を 国交省が指針改正
2018.07.04
【安全スタッフ ニュース】
国土交通省は、自動車運送事業者が運転者に対して行う指導・監督の内容を定めた指針(告示)に、睡眠不足が交通事故の原因となることを理解させることなどを盛り込んだ。また、指針の具体的な実施事項などを示したマニュアルも改正している。
これまで指針では、交通事故に関わる運転者の生理的・心理的要因と対処法についての項目で、長時間連続運転などによる過労や飲酒に重点を置いた記載をしてきた。
今回の改正により、新たに「睡眠不足、医薬品などの服用に伴い誘発される眠気」が追加され、交通事故を引き起こすおそれがある事例として理解させることを指示している。
一方、各業態別に作成している安全教育マニュアル「自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導および監督の実施マニュアル」も改訂した。
例えば、トラック編の過労運転防止のための留意点では、「良い睡眠をとることは事故防止に不可欠であること」などと明記している。さらに、ヒューマンエラー防止について新規項目を設けた。
改正の背景として、睡眠不足による重大な交通事故が発生していることに加えて、事故発生時や積雪時などの緊急時の対応や安全確保が不十分である事案が発生していること、被害軽減ブレーキや車線逸脱警報装置などの運転支援装置を備えた車両が普及してきていることを挙げている。
平成30年7月1日第2309号 掲載