【賃金調査】厚労省/平成30年就労条件総合調査 前年定年者の退職金 大学・大学院卒で2000万円弱 25年調査に比べ150万円減

2018.11.22 【労働新聞 賃金調査】
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年金の準備形態 48%が確定拠出採用

 厚生労働省の平成30年就労条件総合調査によると、昨年1年間に定年を迎えた勤続35年以上の者の平均退職金は、大学・大学院卒1983万円、高卒・現業職1159万円だった。前回25年調査と対象条件を合わせた比較では、高卒・現業職が横ばいだったのに対し、大学・大学院卒が約150万円ダウンしている。退職給付制度がある企業は全体の8割を占め、うち一時金のみは73.3%、一時金・年金併用は18.1%だった。年金の支払準備形態は、確定拠出47.6%、確定給付43.3%などとなっている。

▽退職給付制度

 退職給付制度がある企業の割合は、全体の80.5%だった(表1)。前回の平成25年調査と条件を合わせて比較すると、75.5%から77.8%へ2.3ポイント伸びている。

 企業規模別では、1000人以上(92.3%)と300~999人(91.8%)で9割を超える一方、100~299人は84.9%、30~99人では77.6%と差がみられる。産業別では、最も高い複合サービス事業が96.1%、最も低い宿泊業,飲食サービス業が59.7%となっている。

 制度の形態別企業割合は、最も多い一時金制度のみが73.3%を占め、年金制度のみは8.6%、両制度併用は18.1%だった。企業規模が小さいほど一時金のみの割合が高まり、30~99人では82.1%を占める。1000人以上に限っては、両制度併用が47.6%で最も高くなっている。

 一時金制度がある企業(退職給付がある企業の91.4%)の支払準備形態(複数回答)は、社内準備57.0%、中退共44.0%、特退共11.5%などとなっている(表2)。1000人以上では社内準備が91.4%と圧倒的多数を占めるが、30~99人では中退共(50.8%)と社内準備(49.8%)の割合が拮抗している。

 同様に年金制度がある企業(退職給付がある企業の26.7%)の支払準備形態をみると、確定拠出年金(企業型)が47.6%で最も高く、4.3ポイント差で確定給付企業年金43.3%が続く(表3)。厚生年金基金(上乗せ給付)は、20.0%だった。25年調査との比較では、解散の進む厚年基金が44.8%から17.1%へ大きく落ち込んでいる。

 表4は、年金制度がある企業に対し、過去3年間の見直し実績、今後3年間の見直し予定を聞いたもの。過去3年間に何らかの見直しをした企業の割合は、規模計で5.1%、1000人以上に限れば15.1%だった。見直し内容(複数回答)は、全規模で「新たに導入・設置」と「他制度へ移行」が拮抗して高い。一方で今後3年間の見直し予定をみると、「新たに導入・設置」が52.7%と突出して高く、30~99人では72.6%を占めている。

平成30年11月26日第3186号8,9面 掲載
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