【賃金調査】厚労省/平成30年就労条件総合調査 前年定年者の退職金 大学・大学院卒で2000万円弱 25年調査に比べ150万円減

2018.11.22 【労働新聞 賃金調査】
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【解説】他制度へ順調に移行 厚年基金解散後も継続傾向/牧村 博一

 今回の調査で大きな動きがみられたのは、退職年金制度での厚生年金基金の大幅ダウンである。すでに新設ができなくなり、時限措置によって解散が促されていることもあり、5年前の44.8%から約28ポイントも低下した。

 解散後の行方が注目されるところだが、確定拠出年金の割合が約15ポイント増、確定給付企業年金が約10ポイント増と高まり、退職一時金では中退共と特退共も微増した。退職給付自体の廃止につながることも懸念されたが、調査結果をみる限りその恐れは顕在化していない。回答企業全体に占める退職金のある割合も、わずかだが伸びている。

 定年退職給付額については、管理・事務・技術職では大学・大学院卒が約150万円、高卒も約270万円低下した。一時金と年金の見直し内容をみても、支給率を増加した企業が前回調査よりめだっているにもかかわらずだ。

 結果として、退職給付額で定年が会社都合を下回る逆転現象が生じている。前回調査ではみられなかった傾向である。要因はこの統計だけでは分からない部分もあり、今後より詳細な分析が必要ではあるが、定年延長と引換えに定年退職給付額が引き下げられていると推測できなくもない。

 ただ、定年退職給付額のダウンは好ましいものではない。「人生100年時代」を迎えるに当たり、定年年齢が上昇しても、定年後の人生はさらに伸びることになる。企業としての対応も必要だが、個々人における定年後の就労やiDeCoなどの自助努力にも期待するとともに、制度の充実を期待する。

解説筆者:ディベロップメントコンサルティングオフィス 代表取締役 牧村 博一

平成30年11月26日第3186号8,9面 掲載
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