ホワイト物流推進 賛同企業を公表へ 3省連携
国土交通省、経済産業省、農林水産省の3省は、大手企業をはじめ6000社を上回る企業の代表者に対し、生産性の向上や女性・高齢者も働きやすい労働環境の整備を目指す「ホワイト物流」推進運動への参加を要請する文書を送付した。今後、賛同した企業名を公表していくという。
「ホワイト物流」推進運動は、トラック運転者不足の深刻化に対応するとともに、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保する狙いがある。
具体的には、トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化、女性や60代以上の運転者なども働きやすい「ホワイト」な労働環境の実現に取り組むもの。企業は、取組方針、法令順守への配慮、契約内容の明確化・順守、運送内容の見直しなどを内容とする自主行動宣言の提出・公表・実施を通じて参加することができる。
参加を要請したのは、物流量や従業員が多い上場企業約4000社(全業種)と、47都道府県の売上高上位会社約2300社(おおむね全業種。第三次産業のみ一部に限定)。
現場の担当者間では調整が困難な製造・販売・物流など、部門間の利害調整や、取引先との取引条件の見直しなどが、「トップマネジメントにより、『迅速』かつ『大胆』に進むことを期待」すると表明している。
国交省は、近年、トラック運転者不足の悪化を背景に、「宅配危機」「引越難民」などと呼ばれる問題が生じていることを懸念。今後、中高年齢層の運転者が定年などで大量離職することが想定されるため、従来のような「運び方」の見直しに向け、業界全体での取組みを最優先課題に掲げた格好だ。