危険見える化に手引き イラスト活用勧める 厚労省が三次産業災害増で
厚生労働省はこのほど、「職場の危険の見える化(小売業、飲食業、社会福祉施設)実践マニュアル」を取りまとめた。近年、第三次産業での労働災害が全国的に増加傾向にあることを踏まえ、多店舗展開している小売業・飲食店など向けに安全衛生対策の取組みの進め方や「見える化」のひな形などを示している。マニュアル中のイラストはすべて電子データでダウンロードが可能として、各企業の実情に合わせて手直しするなど積極的な活用を勧めている。
多店舗展開している小売業・飲食店の安全衛生の取組みでは、第一に「本社・本部の役割は圧倒的に大きい」と指摘。非正規労働者が多様になり労務管理が困難になるなかで、本社・本部が各店舗の経営と安全衛生が一体となった取組みを行うことで、店舗間の安全衛生体制のバラツキを抑え、企業全体の安全衛生レベルの向上につながるとしている。
本社・本部が各店舗の危険の見える化を企業全体で取り組むことを前提としたうえで、各店舗で発生した過去の労働災害発生状況や災害事例、さらにはヒヤリハット事例を把握し、危険の見える化をすべき緊急性の高い対象を決めることとした。
例えば、脚立からの墜落の危険の見える化では、商品陳列やバックヤードなど3パターンの事例を掲載=イラスト。高さ2m以上になる作業はヘルメットを着用し、2人で作業を行うとする改善事例も併録した。
また、本社・本部が危険の見える化をしたモデルのひな形を作成し、各店舗に周知することを取り上げた。作業手順マニュアルを作成する場合は、写真やイラストを活用して、作業手順と安全衛生が一体となった危険の見える化をした作業手順マニュアルを作成し、各店舗に周知することがポイントとしている。