低下懸念1割超 現場の安全衛生管理の水準 厚労省調べ
2019.09.12
【安全スタッフ ニュース】
厚生労働省がこのほど公表した平成30年「労働安全衛生調査(実態調査)」結果によると、現場の安全衛生管理水準が「低下している」「低下の恐れがある」とする事業所が1割を超えたことが分かった。ベテラン社員の退職によりノウハウの継承が上手く進んでいないことが大きな理由で、人員・予算が割けないとする声も多い。
調査は毎年事業所と労働者の双方に実施しているもので、今回の有効回答数は7658事業所、9039人。
それによると、現場における安全衛生水準について、「低下しているまたは低下するおそれがあると感じている」事業所の割合が11.7%と少なくなかった。理由(複数回答)を尋ねると、「安全衛生管理を担っていたベテラン社員が退職し、ノウハウの継承が上手く進んでいない」が31.4%と最も多く、「経営環境の悪化で、安全衛生に十分な人員・予算を割けない」も31.2%とほぼ同数に上った。
「正社員以外の労働者が増えたため、管理が難しくなっている」とする声も26.7%と目立ち、雇用形態の多様化が安全衛生管理に影を落としている。
一方、産業医の選任状況をみると、選任義務がある事業所規模50人以上では84.6%。全体では29.3%となっている。
産業医に提供している労働者に関する情報(複数回答)については、「健康診断等の結果を踏まえた就業上の措置の内容等」が74.6%と最多だった。
2019年9月15日第2338号 掲載