過労の防止措置 7割に改善指導 厚労省監督結果
2019.10.13
【安全スタッフ ニュース】
厚生労働省は、長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表した。監督対象となった2万9097事業場のうち1万1766事業場(40.4%)で違法な時間外労働が認められたため、是正・改善に向けた指導を行っている。過重労働による健康障害防止措置が不十分だったケースは2万526事業場(70.5%)に及ぶ。約半数に時間外・休日労働を月80時間以内に削減するよう指示した。
監督対象は、各種情報から時間外・休日労働が1カ月当たり80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間労働による過労死などに関する労災請求が行われた事業場。平成30年度分の全国のデータを集計した。
労働時間違反を業種別にみると、順に「運輸交通業」70.9%、「製造業」63.3%、「接客娯楽業」58.5%、「商業」55.3%、「建設業」47.9%などとなっている。
過重労働による健康障害防止のための指導状況の内訳では、「月80時間以内への削減」が1万1632事業場とトップで、「月45時間以内への削減」が8735事業場と2番目に多かった。
電気機械器具製造業に是正勧告を行った事例では、労働者7人に対する1カ月100時間超の時間外・休日労働が判明している。
2019年10月15日第2340号 掲載