職場での熱中症発症へ警戒を 動画で予防対策PR 全国労働局の動きから
7つのルール順守を要請 異変感じたらすぐ病院へ――栃木労働局
梅雨が明け暑さが本格化する時期を控え、全国各地の労働局が職場の熱中症への警戒を強めている。栃木労働局では、「熱中症予防のための7つのルール」とするリーフレットを作成し、管内の労働災害防止団体などに対して事業場への周知を要請した。
特に実践してもらいたい7項目として挙げたのは、「暑さに備えた事前の準備」「熱への順化期間の設定」「暑さ指数の把握」「服装などの検討」「水分・塩分の一斉補給」「作業時間の短縮・こまめな休憩」 「緊急事態時の病院搬送」。事前の準備では、暑さ指数に応じた作業計画の策定や、冷房設備、休憩場所の確保をすることとしている。通気性の良い服を着用、のどの渇きにかかわらず一斉に水分・塩分を補給することも重要という。異変が生じたときには個人任せや一人きりにせず、ためらわずに病院へ運ぶよう呼び掛けている。
〝追加対策ば、せなあかんたい!〟 オリジナル動画を作成――福岡労働局
福岡労働局では、職場の熱中症予防をPRする動画を作成し、同労働局のyoutubeチャンネルで公開した。動画は、災害防止団体、福岡県内の事業場と協力して作成したもので、「暑さ指数の低減効果を確認しと? 追加対策ば、せなあかんたい」など熱中症予防のポイント6か条を事業場から呼び掛けている。
昨年、福岡労働局管内で発生した熱中症のうち、約半数は7月中に発生した。「梅雨が明けて気温が上がってくる7月は、暑さに身体が慣れていないため特に注意が必要」(同労働局健康課)という。暑さ指数に応じて作業の中断や短縮、休憩時間の確保を徹底することが必要になるとしている。労働基準監督署による指導の場などを通じて対策を周知していく。
(動画URL:https://www.youtube.com/channel/UCCeHhhBr30JSYwwlC8uBGDQ)
ウェブセミナーを期間限定公開 自主点検実施も――東京労働局
東京労働局は8月末までの期間限定で、ウェブによる熱中症予防対策セミナーの動画をyoutubeに公開した。動画では、熱中症予防の基本となる「作業管理」「作業環境管理」「健康管理」の3つの対策を基本に、職場での具体的な行動を促している。簡易な屋根や冷房設備などWBGTを下げる工夫のほか、屋内作業では新型コロナウイルス対策にも気を付けながら職場環境を整備する必要があるとしている。例えば、機械換気設備のない事務室では、窓の開放による換気をしながら冷房によって室内温度をこまめに調整することとなどを説明している。東京労働局では、昨年熱中症による休業4日以上の災害を発生させた52事業場と災害防止団体など99団体に自主点検表を送付。動画の視聴と合わせて職場での取り組み状況を点検し、結果を送付するよう求めている。
(動画URL(2020年8月末まで):https://www.youtube.com/watch?v=1W4o2yLALZA)