【特集1】「叩いてかぶって」失敗学ぶ ゲーム通じて気づかせる安全意識 ニチハの新人教育事例から
安全教育では、ルール順守を言い聞かせるだけでなく、安全の大切さをいかに意識してもらえるかも重要になる。外壁材メーカーのニチハ㈱(愛知・名古屋市)では、新入社員の安全教育に「叩いてかぶってじゃんけんぽん」や「看板探し」といったゲームを混ぜることで、安全を後回しにしてしまう思考パターンへの気づきや、あいまいな伝え方が危険を招く可能性があることなどを伝え、改善の視点を養った。同社で今年8月まで安全推進室長に就かれていた朱宮裕子さんに、人の心をつかむ教育手法を紹介していただいた。
新人に安全を意識させるには
新人が入社した際に、人事が用意した研修は多岐にわたる。各部署の社内講師が説明をするのを、何時間も机に向かって聴く新人たちは、休憩時間になるとぐったりしている。研修の中には安全講習もある。「安全は大事。ケガをしないよう、指示やルールに従って安全に仕事をしましょう」というのは、教えられなくても分かっている。それをいかに実感させるか、わざわざ意識して安全に作業するように育てるかが難しい、ということは本誌の読者の皆さんにもご理解いただけると思う。
そこで、受動的になってぐったりしている新人たちに対し、気づかせ、想像させ、工夫させ、何度も読ませ、達成感を持たせるなどの働きかけをすれば、安全への意識や行動が刷り込まれるのではないかと考えた。
その手段として使ったのが“ゲーム”である。…
執筆:元・ニチハ㈱ 安全推進室長 朱宮 裕子
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら