「労災就学援護費の支給について」(昭和45年基発第774号)の一部改正について
(別添)
労災就学等援護費支給要綱
1 趣旨
業務災害、複数業務要因災害又は通勤災害により死亡し、重度障害を受け、又は長期療養を要する労働者の子のその後の就学状況及び保育の状況、労災遺家族等の就労の状況、これらの者の要望等にかんがみ、業務災害、複数業務要因災害又は通勤災害による重度障害者、長期療養者及び遺族に、労災保険の社会復帰促進等事業として労災就学等援護費を給するものとする。
2 種類
労災就学等援護費の種類は、次のとおりとする。
(1)労災就学援護費
(2)労災就労保育援護費
3 支給対象者
(1)労災就学援護費
労災就学援護費は、次に掲げる者に支給する。ただし、その者(労災就学等援護費の支給対象者であったことがある者を除く。)が受けるべき遺族補償年金、障害補償年金又は傷病補償年金に係る労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号。以下「法」という。)第8条の3第1項に規定する年金給付基礎日額が16,000円を超える場合には、この限りでない。
イ 遺族補償年金を受ける権利を有する者(以下「遺族補償年金受給権者」という。)のうち、学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に定める学校(幼稚園を除く。)若しくは同法第124条に定める専修学校(一般課程にあっては、都道府県労働局長が当該課程の程度が高等課程と同等以上であると認めるものに限る。以下同じ。)に在学する者又は職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第15条の7第1項各号に掲げる施設(以下「公共職業能力開発施設」という。)において、職業能力開発促進法施行規則(昭和44年労働省令第24号)第9条に規定する普通職業訓練(短期課程のものを除く。以下同じ。)若しくは高度職業訓練(職業能力開発促進法第27条に規定する職業能力開発総合大学校において行われるものを含む。専門短期課程及び応用短期課程のものを除く。以下同じ。)若しくは高度職業訓練(職業能力開発促進法第27条に規定する職業能力開発総合大学校において行われるものを含む。専門短期課程及び応用短期課程のものを除く。以下同じ。)を受ける者若しくは国若しくは地方公共団体(独立行政法人及び地方独立行政法人を含む。)が設置する施設(学校教育法第1条に規定する学校、第124条に規定する専修学校、第134条第1項に規定する各種学校及び公共職業能力開発施設を除く。以下「国等が設置する施設」という。)において職業に必要な技能及びこれに関する知識を習得することができるよう実施される教育訓練等(都道府県労働局長が普通職業訓練に準ずるものであると認めるものに限る。以下同じ。)を受ける者(以下「在学者等」という。)であって学資等の支弁が困難であると認められるもの。
ロ 遺族補償年金受給権者のうち、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた当該労働者の子(当該労働者の死亡の当時胎児であった子を含む。)で現に在学者等であるものと生計を同じくしている者であって当該在学者等に係る学資等の支弁が困難であると認められるもの。
ハ 障害補償年金を受ける権利を有する者(障害等級第1級から第3級までの等級に該当する身体障害がある者に限る。以下「障害補償年金受給権者」という。)のうち、在学者等であって学資等の支弁が困難であると認められるもの。
二 障害補償年金受給権者のうち、在学者等である子と生計を同じくしている者であって、当該在学者等に係る学資等の支弁が困難であると認められるもの。
ホ 傷病補償年金を受ける権利を有する者(せき髄損傷者等傷病の程度が特に重篤であると認められる者に限る。以下「傷病補償年金受給権者」という。)のうち、在学者等である子と生計を同じくしている者であって当該在学者等に係る学資等の支弁が困難であると認められるもの。
(2)労災就労保育援護費
労災就労保育援護費は、次に掲げる者に支給する。(1)のただし書の規定は、この場合に準用する。
イ 遺族補償年金受給権者のうち、保育を必要とする未就学の児童(以下「要保育児」という。)であり、かつ、当該要保育児と生計を同じくしている者の就労のため保育所、幼稚園等に預けられている者であって、保育に係る費用の援護の必要があると認められるもの。
ロ 遺族補償年金受給権者のうち、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた要保育児たる当該労働者の子(当該労働者の死亡当時胎児であつた子を含む。)と生計を同じくしている者であり、かつ、就労のため当該要保育児を保育所、幼稚園等に預けている者であって、保育に係る費用の援護の必要があると認められるもの。
ハ 障害補償年金受給権者のうち、要保育児であり、かつ、当該受給権者と生計を同じくしている者の就労のため保育所、幼稚園等に預けられている者であって、保育に係る費用の援護の必要があると認められるもの。
二 障害補償年金受給権者のうち、要保育児たる当該受給権者の子と生計を同じくしており、かつ、当該要保育児を当該受給権者と生計を同じくしている者の就労のため保育所、幼稚園等に預けている者又は要保育児たる当該受給権者の子と生計を同じくしており、かつ、就労のため当該要保育児を保育所、幼稚園等に預けている者であって、保育に係る費用の援護の必要があると認められるもの。
ホ 傷病補償年金受給権者のうち、要保育児たる当該受給権者の子と生計を同じくしており、かつ、当該要保育児を当該受給権者と生計を同じくしている者の就労のため保育所、幼稚園等に預けている者であって、保育に係る費用の援護の必要があると認められるもの。
4 支給額
(1)労災就学援護費
労災就学援護費の支給額は、次に掲げる在学者等の区分に応じ、在学者等一人につき、それぞれ次に掲げる額とする。
イ 小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に在学する者
月額 14,000円
ロ 中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に在学する者
月額 18,000円(ただし、通信制課程に在学する者にあっては、月額15,000円。)
ハ 高等学校(定時制課程の第4学年、専攻科及び別科を含む。)、中等教育学校の後期課程、高等専門学校の第一学年から第三学年まで、特別支援学校の高等部、専修学校の高等課程若しくは一般課程に在学する者又は公共職業能力開発施設において中学校卒業者若しくは義務教育学校卒業者若しくは中等教育学校前期課程修了者若しくはこれらと同等以上の学力を有すると認められる者を対象とする普通職業訓練若しくは職業訓練法施行規則の一部を改正する省令(昭和53年労働省令第37号)附則第2条に規定する第1類の専修訓練課程の普通職業訓練を受ける者若しくは国等が設置する施設において中学校卒業者若しくはこれと同等以上の学力を有すると認められる者を対象とする教育訓練等を受ける者
月額 17,000円(ただし、通信制課程に在学する者にあっては、月額14,000円。)
二 大学、専門職大学、短期大学、専門職短期大学、大学院、専門職大学院、高等専門学校の第四学年、第五学年若しくは専攻科若しくは専修学校の専門課程に在学する者又は公共職業能力開発施設において普通職業訓練を受ける者(ハに掲げる者を除く。)若しくは高度職業訓練を受ける者若しくは国等が設置する施設において教育訓練等を受ける者(ハに掲げる者を除く。)
月額 39,000円(ただし、通信制課程に在学する者にあっては、月額30,000円。)
(2)労災就労保育援護費
労災就労保育援護費の支給額は、要保育児一人につき、月額13,000円とする。
5 支給期間
(1)労災就学援護費
イ 労災就学援護費は、労災就学援護費を支給すべき事由が生じた月(労災就学援護費を支給すべき事由が生じた月が遺族補償年金、障害補償年金又は傷病補償年金を支給すべき事由の発生した月であるときは、その翌月)から支給すべき事由が消滅した月(労災就学援護費を支給すべき事由が消滅する前に遺族補償年金、障害補償年金又は傷病補償年金を支給すべき事由が消滅したときは、遺族補償年金、障害補償年金又は傷病補償年金を支給すべき事由が消滅した月)までの間支給する。ただし、在学者等が当該学校等に在学又は在校する場合における通常の就業年限に限り、当該学校等の区分ごとに原則一度支給する。また、その支給を受ける者に係る遺族補償年金が法第16条の5第1項又は昭和40年改正法附則第43条第3項の規定により支給停止されている期間については、支給しない。
ロ 公共職業能力開発施設において普通職業訓練又は高度職業訓練を受ける者についての労災就学援護費は、その者が当該訓練につき、雇用保険法(昭和49年法律第116号)第10条第2項に規定する技能修得手当、雇用対策法施行規則(昭和41年労働省令第23号)第2条第1項に規定する技能修得手当、その他法令又は条例の規定によるこれらの手当に相当する給付の支給を受けることができる期間については、支給しない。
(2)労災就労保育援護費
(1)の規定は、労災就労保育援護費の支給期間について準用する。
6 欠格事由等
(1)労災就学援護費
イ 労災就学援護費に係る在学者等(3の(1)のハに掲げる者を除く。)が次のいずれかの一に該当するに至ったときは、その該当する月の翌月以降、当該在学者等に係る労災就学援護費の支給を行わない。
(イ) 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
(ロ) 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者も含む。)となったとき。
(ハ) 離縁によって死亡した労働者との親族関係が終了したとき。
ロ 在学者等について、特に労災就学援護費を支給することが適当でないと認むべき事情がある場合には、その事情のある月については、労災就学援護費を支給しないものとする。
(2)労災就労保育援護費
(1)の規定は、要保育児についての労災就労保育援護費の欠格事由等について準用する。この場合において「(3の(1)のハに掲げる者を除く。)」とあるのは「(3の(2)のハに掲げる者を除く。)」と読み替えるものとする。