労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令等の施行等について(無期転換ルール・労働契約関係の明確化等)

2023.10.12 基発1012第2号 【労働基準法】
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基発1012第2号
令和5年10月12日

都道府県労働局長 殿

厚生労働省労働基準局長
(公印省略)

労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則
の一部を改正する省令等の施行等について(無期転換ルール・労働契約関係の
明確化等)

労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令(令和5年厚生労働省令第39号。以下「改正省令」という。)及び有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準の一部を改正する件(令和5年厚生労働省告示第114号。以下「改正告示」という。)の内容については、令和5年3月30日付け基発0330第1号「労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令等の公布等について」により示したところであるが、当該通知において、別途通知することとしていた改正省令・改正告示等の具体的な取扱い等のうち、無期転換ルール・労働契約関係の明確化等については、下記のとおりであるので、了知の上、取扱いに遺漏なきを期されたい。

また、今般の改正省令及び改正告示の施行・適用に伴い、平成24年8月10日付け基発0810第2号「労働契約法の施行について」等の一部をそれぞれ別添の新旧対照表のとおり改正することとしたので、了知の上、対応に遺漏なきを期されたい。

第1 労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令

1 労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号。以下「労基則」という。)の一部改正

(1) 労働条件明示事項の追加(労基則第5条関係)

ア 通算契約期間又は有期労働契約の更新回数の上限(労基則第5条第1項第1号の2関係)

① 労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「労基法」という。)第15条第1項前段の規定に基づいて明示しなければならない労働条件に、労働契約法(平成19年法律第128号。以下「労契法」という。)第18条第1項に規定する通算契約期間又は期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)の更新回数の上限を追加したものであること。

イ 就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲(労基則第5条第1項第1号の3関係)

① 労基法第15条第1項前段の規定に基づいて明示しなければならない労働条件に、就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を追加したものであること。

② 「就業の場所及び従事すべき業務」とは、労働者が通常就業することが想定されている就業の場所及び労働者が通常従事することが想定されている業務をいい、配置転換及び在籍型出向が命じられた場合の当該配置転換及び在籍型出向先の場所及び業務が含まれるが、臨時的な他部門への応援業務や出張、研修等、就業の場所及び従事すべき業務が一時的に変更される場合の当該一時的な変更先の場所及び業務は含まれないものであること。

③ 「変更の範囲」とは、今後の見込みも含め、当該労働契約の期間中における就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲をいうものであること。

④ 労働者が情報通信技術を利用して行う事業場外勤務(以下「テレワーク」という。)については、労働者がテレワークを行うことが通常想定されている場合には、テレワークを行う場所が就業の場所の変更の範囲に含まれるが、労働者がテレワークを行うことが通常想定されていない場合には、一時的にテレワークを行う場所はこれに含まれないものであること。

⑤ 就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲は、有期労働契約を含む全ての労働契約の締結の際に明示する必要があるものであること。

ウ 無期転換申込みに関する事項及び無期転換後の労働条件(労基則第5条第5項関係)

① その契約期間内に無期転換申込権が発生する有期労働契約の締結の場合においては、使用者は、労基則第5条第1項に規定するもののほか、無期転換申込みに関する事項及び無期転換後の労働条件(同項第1号及び第1号の3から第11号までに掲げる事項)を明示しなければならないものとしたものであること。ただし 無期転換後の労働条件のうち同項第4号の2から第11号までに掲げる事項については、使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでないものとしたものであること。

② 「無期転換申込みに関する事項」とは、労契法第18条に規定する無期転換ルール(有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、有期契約労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約(以下「無期労働契約」という。)に転換させる仕組み)に基づき、当該有期労働契約の契約期間の初日から満了する日までの間に有期契約労働者が無期労働契約への転換を申し込むことができる権利(以下「無期転換申込権」という。)を有することをいうものであること。

③ 無期転換後の労働条件の明示は、労基則第5条第5項の規定に基づき明示すべき事項について事項ごとにその内容を明示する方法のほか、同条第1項の規定に基づき明示すべき有期労働契約の労働条件からの変更の有無及び変更がある場合はその内容を明示する方法で行うことも差し支えないこと。

④ 改正省令の施行後は、無期転換申込権の行使によって成立する無期労働契約の労働条件の明示は、無期転換申込権が生じる有期労働契約の更新時及び労働者による無期転換申込権の行使による無期労働契約の成立時にそれぞれ行うこととなること。ただし、無期転換申込権が生じる有期労働契約の更新時に、無期転換後の労働条件の明示を、労基則第5条第5項の規定に基づき明示すべき事項について事項ごとにその内容を示す方法で行った場合であって、当該明示した無期転換後の労働条件と無期転換申込権の行使によって成立する無期労働契約の労働条件のうち同条第1項の規定に基づき明示すべき事項が全て同じである場合には、使用者は、無期労働契約の成立時にその旨を書面の交付等の方法により明示することとしても差し支えないこと。

エ 書面の交付等の方法による明示(労基則第5条第6項関係)

① その契約期間内に無期転換申込権が発生する有期労働契約の締結の場合においては、使用者は、労基則第5条第3項に規定するもののほか、無期転換申込みに関する事項並びに無期転換後の労働条件のうち同条第1項第1号及び第1号の3から第4号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)を書面の交付等の方法により明示しなければならないものとしたものであること。

(2) 施行期日

改正省令は、令和6年4月1日から施行されるものであること。

第2 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(平成15年厚生労働省告示第357号。以下「雇止めに関する基準」という。)の一部を改正する件

1 更新上限を定める場合等の理由の説明(雇止めに関する基準第1条関係)

(1) 使用者は、有期労働契約の締結後、当該有期労働契約の変更又は更新に際して、通算契約期間又は有期労働契約の更新回数について、上限を定め、又はこれを引き下げようとするときは、あらかじめ、その理由を労働者に説明しなければならないものとしたものであること。

(2) 「理由」とは、例えば、「プロジェクトが終了することになったため」、「事業を縮小することになったため」等が考えられるものであること。

(3) 「説明」とは、労働者が内容を理解することができるよう、文書を交付し、個々の有期契約労働者ごとに面談等により説明を行うことが基本であるが、説明の方法は、特定の方法に限られるものではなく、説明すべき事項を全て記載した労働者が容易に理解できる内容の資料を用いる場合には、当該資料を交付して行う等の方法でも差し支えないものであること。また、説明会等において複数の有期契約労働者に同時に行う等の方法によっても差し支えないこと。

(4) 労働条件に係る紛争の防止や労契法第4条の趣旨の観点から、理由の説明に当たり、労働者に対して新たな更新上限の内容を書面の交付等の方法により明示することが望ましいと考えられること。なお、一般に労基法第15条1項後段の規定に基づき書面の交付等の方法により明示すべき事項に関して、労働契約締結後に当該労働契約の内容を変更する場合には、使用者が変更の内容を書面の交付等の方法により明示することが望ましいと考えられること。

2 無期転換後の労働条件に関する説明(雇止めに関する基準第5条関係)

(1) 使用者は、労基法第15条第1項の規定により、労働者に対して無期転換後の労働条件を明示する場合においては、当該労働条件に関する定めをするに当たって労契法第3条第2項の規定の趣旨を踏まえて就業の実態に応じて均衡を考慮した事項について、当該労働者に説明するよう努めなければならないものとしたものであること。

(2) 「説明」とは、労働者が内容を理解することができるよう、文書を交付し、個々の有期契約労働者ごとに面談等により説明を行うことが基本であるが、説明の方法は、特定の方法に限られるものではなく、説明すべき事項を全て記載した労働者が容易に理解できる内容の資料を用いる場合には、当該資料を交付して行う等の方法でも差し支えないものであること。また、説明会等において複数の有期契約労働者に同時に行う等の方法によっても差し支えないこと。

(3) 「就業の実態に応じて均衡を考慮した事項」とは、例えば、業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲等が考えられるものであること。

(4) 雇止めに関する基準第5条に基づく説明は、無期転換後の労働条件に関する定めをするに当たって、他の通常の労働者(正社員等のいわゆる正規型の労働者及び無期雇用フルタイム労働者。この(4)において同じ。)の待遇との均衡を考慮した事項を説明するよう努めなければならないことを規定したものであること。

同条に基づく説明は、個別の待遇について、他の通常の労働者との待遇の相違の内容及び理由を説明することまで求められるものではないが、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)第14条第2項に基づく説明と同様に、通常の労働者との待遇の相違の内容及び理由の説明を行うことは、無期転換後の労働条件に対する理解に資するものであること。

3 その他

題名の改正その他所要の規定の整理を行ったものであること。

4 適用期日

改正告示は、令和6年4月1日から適用されるものであること。

第3 その他

1 就業規則の周知

就業規則等の周知については、平成11年3月31日付け基発第169号「労働基準法関係解釈例規の追加について」において、「就業規則等を労働者が必要なときに容易に確認できる状態にあることが「周知させる」ための要件である。」と示しているところであるが、具体的には、使用者は、就業規則を備え付けている場所等を労働者に示すこと等により、就業規則を労働者が必要なときに容易に確認できる状態にする必要があるものであること。

2 モデル労働条件通知書の改正及びモデル様式の追加

改正省令の施行に伴い、令和5年3月29日付け基発0329第11号「「労働条件通知書等の普及促進について」の一部改正について」による改正後の平成11年2月19日付け基発第81号「労働条件通知書等の普及促進について」について、(別添1)から(別添5)までのモデル様式を別添1及び別添2から別添5までのとおり改正し、(別添1の2)を別添1の2のとおり加え、令和6年4月1日から適用すること。

第4 関係通達の一部改正

1 平成11年1月29日付け基発第45号「労働基準法の一部を改正する法律の施行について」について、別添6のとおり改正し、令和6年4月1日から適用すること。

2 平成24年8月10日付け基発0810第2号「労働契約法の施行について」の本文及び「別添 参考になる主な裁判例」について、別添7及び別添8のとおり改正し、令和6年4月1日から適用すること。

3 平成24年10月26日付け基発1026第2号「労働基準法施行規則等の一部改正について」について、別添9のとおり改正し、令和6年4月1日から適用すること。

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