除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドラインの改正等について
基発0615第6号
平成24年6月15日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長
(公印省略)
除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドラインの改正等について
厚生労働省では、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質に係る土壌等の除染等の業務又は廃棄物収集等業務に従事する労働者の放射線障害を防止するため、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」(平成23年厚生労働省令第152号。以下「除染電離則」という。)等を平成24年1月1日から施行するとともに、除染電離則と相まって、除染電離則に規定された事項のほか、関係事業者が実施する事項及び労働安全衛生関係法令において規定されている事項のうち、重要なものを一体的に示した「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号。以下「除染ガイドライン」という。)を定めたところである。
今般、避難区域の区分の見直しに伴い、土壌の除染等の業務又は廃棄物収集等業務以外の生活基盤の復旧、復興作業等が順次開始される見込みとなっており、これら業務に従事する労働者の放射線による健康障害を防止するための措置を規定するため、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則等の一部を改正する省令」(平成24年厚生労働省令第94号)等が本日公布され、平成24年7月1日より施行される。
これに併せ、土壌の除染等の業務、廃棄物収集等業務又は特定汚染土壌等取扱業務(以下「除染等業務」という。)若しくは特定線量下業務における放射線障害防止対策のより一層的確な推進を図るため、除染ガイドラインを別添1のとおり改正するとともに、別添2のとおり、新たに「特定線量下業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(以下「特定線量ガイドライン」という。)を定めたところである。これらガイドラインは、労働者の放射線障害防止を目的とするものであるが、同時に、住民、ボランティア等が活用できることも意図している。
各労働局におかれては、下記の事項に留意の上、関係事業者を指導するとともに、都道府県及び市町村に対し周知徹底を図り、除染等業務及び特定線量下業務における放射線障害防止対策の一層的確な推進を図られたい。
なお、環境省水・大気環境局長、農林水産省農林水産技術会議事務局長、復興庁統括官及び内閣府原子力災害対策本部原子力被災者生活支援チーム事務局長補佐に対して別添3のとおり、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉及び千葉の各県知事に対して別添4のとおり、関係事業者団体に対して別添5のとおり要請したので、了知されたい。
記
1 「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」(平成23年法律第110号)第25条第1項に規定する除染特別地域又は同法第32条第1項に規定する汚染状況重点調査地域(以下「除染特別地域等」という。)内における土壌の除染等の業務、汚染廃棄物等の収集等の業務、特定汚染土壌等取扱業務(以下「除染等業務」という。)を行う事業の事業者(以下「除染等事業者」という。)については、除染電離則に規定された事項のほか、除染ガイドラインに定める事項の実施について指導を行うこと。
2 除染等事業者以外の事業者で自らの敷地や施設等において除染等の作業を行う事業者又は除染特別地域等でない場所で除染等の作業を行う事業者については、除染ガイドラインに定める事項のうち必要なものの実施について指導を行うこと。
3 除染特別地域等において、特定線量下業務を行う事業の事業者については、除染電離則に規定された事項のほか、特定線量ガイドラインに定める事項の実施について指導を行うこと。
4 除染特別地域等における生活基盤の点検、整備等の作業における放射線障害防止についても、除染電離則、除染ガイドライン及び特定線量ガイドラインに定めるところによることとするので、本通知により、「除染特別地域における重要な生活基盤の点検、整備に従事する労働者の放射線障害防止措置について」(平成24年2月14日付け基安発第0214第1号)を平成24年7月1日をもって廃止すること。
5 都道府県や除染等業務の発注者等である市町村に対しては、管内状況に応じて、除染電離則及びこのガイドラインの内容について説明を行う等により、周知徹底を図ること。
6 除染電離則が適用されない除染等の作業を行う自営業者、住民、ボランティア等(以下「ボランティア等」という。)についても、このガイドラインに定める事項のうち必要なものの実施が望ましいことから、ボランティア等から相談等があった場合には、このガイドラインについて教示すること。