労災補償業務の運営に当たって留意すべき事項について
労災発0219第1号
平成31年2月19日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省大臣官房審議官(労災、建設・自動車運送分野担当)
(公印省略)
労災補償業務の運営に当たって留意すべき事項について
平成31年度における労災補償業務の運営に当たっては、特に下記に示したところに留意の上、実効ある行政の展開に遺憾なきを期されたい。
記
第1 労災補償行政を巡る状況への対応
労災補償行政を巡る状況をみると、過労死等に係る労災請求件数は2,500件以上に上り、石綿関連疾患に係る労災請求件数も1,100件以上に上るなど、多くの複雑困難事案の処理を求められている状況にある。
過労死等を巡る国民の関心は高く、とりわけ過労死等の発生を防止するための取組強化に対する社会的要請が強まっており、長時間労働の是正を大きな柱として、政府を挙げて推進する「働き方改革」に労働基準行政として実施することが求められている中、労災補償行政においては、過労死等の労災請求事案に引き続き適切に対応していくことが肝要である。
また、「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し、本年4月から施行されることに伴い、今後外国人労働者の増加が見込まれることから、これまで以上に外国人労働者に対する労災保険制度の周知、請求勧奨等の取組について的確に実施する必要がある。
加えて、今般、厚生労働省の毎月勤労統計調査において、全数調査するとしたところを一部抽出調査で行っていたことにより、平成16年度以降の同調査における賃金額が低めに出ていたことから、同調査の平均給与額の変動を基礎としてスライド率等を活用している労災保険制度等の給付額に影響が生じたところである。これに伴う労災保険等の追加給付については、厚生労働行政全体にわたる大きな問題であり、追加給付に関する対応そのものも国民が厳しく注視をしていることから、対応によって国民の不信を招くこととならないよう、その対応に万全を期す必要がある。
一方で、厳しい定員事情や行政経費に係る予算事情など、行政を取り巻く環境は厳しさを増しており、このような中で、労災補償行政に対する国民の期待に応え、労災請求事案に適切に対応するためには、厚生労働本省、都道府県労働局(以下「局」という。)及び労働基準監督署(以下「署」という。)が、より一層連携して効率的な業務運営に取り組み、的確な事務処理の実施に必要な人材育成を行うことが重要となっている。…
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