株式会社ブルーハウス(破産債権)事件(札幌地判平10・3・31) 「休日振替日に労働」を理由に休日出勤手当の請求 割増賃金の支払い義務が
1999.05.31
【判決日:1998.03.31】
休日振替と代休の違いに注意が必要
筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議)
事案の概要
A会社は、平成9年1月9日破産宣告を受け、Yらが破産管財人に選任されている。Xらは、同年1月6日に解雇されるまでA会社に雇用されていた。
A会社においては、従業員の休日は週1回(ただし4週6休)とされていたほか、国民の祝日、冬季及び夏季に各2日間並びにその他の臨時休日が存在したが、従業員が休日に出勤した場合には、代休の取得を認める代わりに休日出勤手当を支給しない扱いであった。しかし、A会社では、休日出勤が常態化しており、Xらは実際には代休の取得もままならなかった。
また、A会社では、平成8年12月まで従業員全員について1カ月1000円が積立金名目で、X1及びX2を含む主事以上の者については、さらに1カ月1万607円が社員持株会名目で賃金から控除されていた。しかし、いずれの控除についても従業員の過半数代表者との労使協定は締結されていなかった。
Xらは、破産手続きにおいて、休日に出勤した日については休日出勤手当の支給を求める権利を有し、また、積立金名目及び社員持株会名目の賃金からの控除は無効であるとして、控除された賃金額についても支払いを求める権利があるとして、優先的破産債権の届出を行ったところ、破産管財人Yらが、これに異議を述べたので、Xらは破産債権の確定訴訟を提起した。
判決のポイント
使用者が、…
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平成11年5月31日第2250号13面 掲載