大井交通事件(東京地判平10・10・16) 労務受領を拒否したタクシー乗務員から賃金請求 会社に“帰責事由”と認める

1999.06.28 【判決日:1998.10.16】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

乗務拒否以外の対処方法が妥当

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、タクシー乗務員であるA、B、CおよびDが、会社(大井交通株式会社)からタクシー乗務を拒否されたため乗務できなかったとして、その間の賃金の支給を求めて本訴を提起したのに対し、会社は、Aらの始末書、説明書の提出拒否、不穏当発言、診断書の未提出を理由に、労務の受領を拒否したもので、これはAらの行為と就業規則に照らして正当なものであると主張した。

判決のポイント

 1 会社はAおよびBの乗務を拒否した措置の法的根拠として就業規則8条4号を主張するが、同号は、当該労働者が就業することによって事業場の秩序や他の労働者の就業に悪影響を及ぼすような場合に、応急措置として事業場への入場拒否、就業禁止を行うことができることを定めたものであると解するのが相当である。しかして、AおよびBの行為が同号に該当するものということはできず、会社が執った前記措置の法的根拠となるということはできない。

 そうすると、会社が乗務を拒否し続けたことは法的根拠を欠くものであるから、A、Bは会社の責めに帰すべき事由によってタクシー乗務の履行をすることができなかったものというべきであり、右の間の賃金請求権を有するものというべきである。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成11年6月28日第2254号13面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。