日本アイティーアイ事件(東京地判平9・7・28) 役職手当支給している者が時間外手当を請求 管理職か否かで扱い変わる
1998.02.16
【判決日:1997.07.28】
手当が割増賃金を上回れば必要ない
筆者:弁護士 中山 慈夫(経営法曹会議)
事案の概要
原告2名はA社(旧会社)に雇用されていたが、平成5年9月の営業譲渡に伴い)雇用契約上の地位が被告会社に承継された。
旧会社及び被告会社の所定勤務時間はともに午前9時から午後5時30分までとなっていたところ、原告らは、旧会社に雇用されてから平成6年4月までの間、時間外及び休日勤務を行ったと主張し、時間外勤務及び休日勤務について2割5分増、深夜勤務については5割増の割増賃金計約720万円(原告2名合計)を被告会社に請求した。
これに対して被告会社は、就業規則(給与規定)上、営業職及び課長以上の管理職の従業員は時間外・休日勤務手当の支給対象外とする旨規定されており、原告らは、営業職でかつ課長の立場にあって役職手当及び業務手当が支給されていたのであるから、時間外等の割増賃金請求権はないと抗弁した。
判決のポイント
労働基準法41条2号に定める「監督若しくは管理の地位にある者」とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあるものと解すべきところ、原告らは…
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平成10年2月16日第2189号12面 掲載