興栄社事件(最一小判平7・2・9) 従業員的役員の退職金の取扱いは 退職金規定が適用される ★

1996.02.16 【判決日:1995.02.09】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

役員退職慰労金は総会の決議が必要

筆者:弁護士 安西 愈

事案の概要

 本件は、合資会社に最初は事務員、その後は総務部長兼経理部長として勤務し、さらにその後退職するまで専務取締役として代表者の職務を代行する立場であった者に対し、会社が、同人は役員であり役員退職金支給基準は存在しないこと、従業員ではないから退職金規定の適用はないことを理由として退職金を支給しなかった事案である。同人はこの会社の措置を不服として、主位的請求として役員退職金を、予備的請求として従業員としての退職金の支給を請求して提訴した。一審は主位的請求を棄却、原告はこの点につき控訴しなかった。一審、二審とも予備的請求は認めた。

判決のポイント

 本件上告審は、第二審(平6・7・14福岡高裁)の判示を支持し、退職金請求権を認めた。

 本件判決は、「原審が適法に確定したところによれば、被上告人は、合資会社である上告人の有限責任社員であるが、定款によって上告人の業務執行の権限が与えられていたことはうかがわれず、被上告人が『専務取締役』の名称の下に上告人の代表者である無限責任社員の職務を代行していたのは、上告人代表者の指揮命令の下に労務を提供していたにとどまるものであり、被上告人が支払いを受けていた『給料』はその対償であるということができる。したがって、有限責任社員となった後の被上告人についても上告人の従業員を対象とする本件退職金規定が適用されるとした原審の判断は、正当として是認することができる」と判示した。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成8年2月19日第2093号10面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。