湯川胃腸病院事件(大阪地決平6・11・8) 無届欠勤の多い総婦長を解雇 「適格性欠く」は正当な評価

1995.03.27 【判決日:1994.11.08】
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雇用に値しない不安定労務提供

筆者:弁護士 宮本 光雄(経営法曹会議)

事案の概要

 債権者は病院の総婦長であったが、遅刻、早退、欠勤が多く、具体的には1年1力月の間に事前にも事後にも届け出のない欠勤を9日(うち8日は正当な理由がない)、事前にも事後にも届け出のない2時間以上4時間未満の遅刻または早退を合計6回(うち4回は正当の理由がない)、事前に届け出ているが正当の理由のない2時間以上4時間未満の早退を1回、届け出のない2時間未満の遅刻又は早退を合計7回(うち6回は正当な理由がない)、事前に届け出ているが正当の理由がない2時間未満の遅刻を2回している状態であった。

 債務者病院は、債権者がこれ以外にも無断欠勤するなど勤務状態が不良であり、総婦長としての適格性を欠くとして通常解雇した。

決定のポイント

 右に述べた遅刻、早退、欠勤の実態からすれば、債権者は病院の総婦長としての適格性を欠くと評価されてもやむを得ないものであり、解雇は正当である。

応用と見直し

 本件のような事案は実務の上では決して少なくないはずである。にもかかわらず、本件のように遅刻、早退、欠勤が多いとしてなされた解雇の当否が争われた事案はそれ程多くはない。

 実情は不明であるが、本件程度の遅刻、早退、欠勤などの状況では、未だ解雇はできないと判断している例が多いからではないだろうか。本件は、実務上よく見かける遅刻、早退、欠勤の多い労働者に対する処遇に関し参考となる事案である。

 本件のように…

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平成7年3月27日第2050号10面 掲載
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