退職金等請求事件(最一小判令3・3・25) 企業年金の死亡退職金受給できるのは夫か子か 配偶者は“事実上離婚状態” ★

2021.05.20 【判決日:2021.02.25】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 中小企業退職金共済など企業年金の加入者が亡くなり、子が死亡退職金の支給を求めた。法で定める最先順位の配偶者(夫)の受給権について、最高裁は、遺族となる配偶者とは、互いに協力して社会通念上夫婦としての共同生活を営んでいた者を指すと判断。事実上の離婚状態にある夫は配偶者に該当しないとした。受給順位を定めた主な目的は、遺族の生活保障と解している。

最先順も権利なし 生活の保障が目的

筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)

事案の概要

 被上告人の母であるAは、平成26年に死亡したところ、当時、株式会社Bの従業員であり、同社は、上告人機構との間でAを被共済者とする中小企業退職金共済法所定の退職金共済契約を締結していた。

 本件は、被上告人が、Aの死亡に関し、上告人機構に対し前記共済契約に基づく退職金の、同様にAが加入していた上告人JPP基金に対し遺族給付金の、出版厚生年金基金の権利義務を承継した上告人出版基金に対し出版厚生年金基金の遺族一時金の各支払いを求める事案である。

 中小企業退職金共済法、JPP基金規約および出版基金規約において、本件退職金等の最先順位の受給権者はいずれも「配偶者」と定められているが、Aと民法上の配偶者であるCが事実上の離婚状態にあったため、その該当性が争点となった。

判決のポイント

 中小企業退職金共済法は、…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
令和3年5月31日第3306号14面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。