国際自動車事件(東京地判平27・1・28) 乗務員の歩合給算定で別途支払う割増賃金控除は? 違法ではないが公序に反する ★

2015.05.25 【判決日:2015.01.28】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 歩合給の計算で残業手当などに相当する額を控除する規定は無効として、タクシー乗務員らが未払い賃金を求めた。東京地裁は「揚高」が同じ限り、残業等の有無にかかわらず賃金は同じになり、法の趣旨を潜脱し、公序良俗に反すると判断。通常の割り増し相当額が保証されないとしたが、揚高に基づき一部は支払われており、法自体に違反するものでないとして賦課金請求は斥けた

不足分の支払いを 付加金請求は棄却

筆者:弁護士 岩本 充史

事案の概要

 本件は、Yに雇用されていたXらがYに対して、歩合給の計算に当たり残業手当等に相当する額(割増金)を控除する旨定めた賃金規則上の規定は無効であると主張して、未払賃金および付加金等を求めた件につき、未払賃金の一部が認容され、付加金の請求が棄却された事例である。

 Yの賃金規則は、タクシー乗務員の賃金について、次のとおり定めている。

 基本給として、1乗務(15時間30分)当たり1万2500円を支給する。服務手当(タクシーに乗務せずに勤務した場合の賃金)として、乗務しないことにつき従業員に責任のない場合は1時間1200円、責任のある場合は1時間1000円を支給する。

(ア)割増金および歩合給を求めるための「対象額A」を、次のとおり算出する。

対象額A={(所定内揚高―所定内基礎控除額)×0.53}+{(公出揚高―公出基礎控除額)×0.62}

(イ)「所定内基礎控除額」は、所定就労日の1乗務の控除額…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成27年5月25日第3018号14面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。