三菱重工業事件(東京地判平28・1・26) 病気で家族の支援必要、原職場復帰困難と配転要求 復職命令拒否での解雇有効

2016.10.10 【判決日:2016.01.26】
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 精神疾患で欠勤中に実家付近へ転居し、復職には家族の支援が必要として、通勤可能な事業所へ配転を求めたところ会社に拒否され、原職場への復職拒否により解雇された事案。東京地裁は、特殊な専門分野である技能職の配転は前例がないなど想定外と判断。生活支援は家庭の課題で、復職申出は債務の本旨に従ったものといえず、復職拒否を重大な業務命令違反とした。

配転想定外の職種 生活面は家庭内で

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、Yに雇用され愛知県内の事業所で勤務していたが、私傷病(精神疾患)による長期欠勤に入り、その後、実家のある埼玉県に転居した。Xは、約2年半後に復職の申出をしたが、その際、現住所から通勤可能な場所での復職を求め、これに対し、Yが原職場での復職を命じたところ、Xは出社を拒否し欠勤を続けたので、YはXを解雇した。なお、Yの就業規則では私傷病欠勤が33カ月を超えた場合は解雇となるところ、本件では通算33カ月を超える欠勤があった。

 Xは、同居の家族による生活全般の支援が不可欠であることを前提に、現住所から通勤可能な職場に異動するよう求めているのであるから、債務の本旨に従った労務提供の申し出をしており、Yにはこれに配慮した職場を検討すべき法的義務があるのに、これを果たさないまま原職場での復職を命じ、これに応じないXを解雇したものであるとし、解雇無効の主張に基づき労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、就労開始可能と判断された平成25年9月1日以後のバックペイを請求した。…

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平成28年10月10日第3083号14面 掲載
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