ケンウッド事件(東京地判平5・9・28) 子育て女子社員への異動命令は権利の濫用に当たるか ★

1994.01.17 【判決日:1993.09.28】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

不利益は甘受すべき範囲

筆者:弁護士 中山 慈夫(経営法曹会議)

事案の概要

 音響機器等の製造販売会社に勤務していた既婚女子従業員は、東京都目黒区内の事業所から八王子事業所への異動命令を受けたが、異動命令は権利の濫用に当たり、無効であるとして異動に応じなかったため、停職処分さらに懲戒解雇処分となった。そこで、従業員が、異動命令及び各処分の無効を主張して提訴したものである。

 本件異動命令が権利の濫用であるとする原告の具体的な主張は

(1)通勤時間が長くなり幼児の保育ができなくなる
(2)雇用機会均等法28条一項(育児休業等の努力義務規定)に違背する
(3)業務上の必要性の欠如
(4)人選の不合理
(5)不当な動機目的

という点であった。

 特に(1)について原告は、従前約50分の通勤で3歳の長男を保育園に預けて勤務していたが、本件異動に従えば通勤時間か1時間45分を上回ることになり、夫の協力にも限度があり、又第三者に保育を依頼するにしても限度があるため、保育園に預けて通勤することは不可能であるし、一方転居をすることは生活状況を大きく変えるという重大な不利益を被ることになると主張した。

判決のポイント

 本判決は…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成6年1月17日第1992号10面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。