下馬生協・生協イーコープ事件(東京地判平5・6・11) 雇用関係はどうなる?移籍承諾書に署名後の採用取り消し ★
1994.01.31
【判決日:1993.06.11】
雇用契約上の地位移転はない
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
生活協同組合事業を営むA生協の職員Xは、友好関係にあったB生協への移籍を打診され、移籍承諾書に署名した。そして、XとB生協間で、移籍後の雇用条件について交渉が行われたが、配属先、賃金、年次有給休暇等の点で合意をみない間に、B生協は、Xに対し、「採用取消のご通知」と題する書面を送付した。そこで、Xは、B生協に対して、雇用関係存在確認等の請求を、A生協に対しても、B生協への移籍が成立しない場合は、A生協との雇用関係は存続しているとして、雇用関係確認等の請求をなした事案である。
判決のポイント
B生協との雇用関係の成否
① Xが本件移籍を承諾した時点では、…
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平成6年1月31日第1994号10面 掲載