日本電子事件(東京地八王子支決平5・10・25) 業績不振によるパートタイマーとの雇用契約更新拒絶は有効か
1994.02.07
【判決日:1993.10.25】
やむをえない事情認める
筆者:弁護士 畑 守人(経営法曹会議)
事案の概要
債務者は、電子光学機器などハイテクノロジー製品の製造販売を目的とする会社であるが、必要に応じて随時雇用量を調節することのできる従業員を雇い入れる目的で、パートタイマー制度を設け、正社員とは異なる簡単な手続で採用、また雇用期間を6カ月とする雇用契約を締結し、契約期間か満了しても所属長及びパートタイマー双方に異存がない場合には、新たな契約書を作成して期間の定めのある契約を更新していた。
平成4年度決算で多額の経常損失を計上する見込みとなった債務者は、経営再建のため役員報酬の削減、管理職の希望退職、幹部職員の昇給ゼロ・賞与の大幅抑制、組合員の昇給・賞与の減額などの方法をとり、さらに雇用調整のため嘱託、パートタイマーを削減することとした。そして、債務者は、パートタイマー99名のうち業務遂行上必要不可欠な者を除いた債権者両名(1名は18回、他は2回契約を更新していた)を含む62名を平成5年3月31日の契約期間満了をもって雇止めにすることとし、契約更新を拒絶した。
決定のポイント
債権者らの雇用契約は…
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平成6年2月7日第1995号10面 掲載