藤元建設工業事件(広島地裁福山支部判平5・5・10) 労災事故で労働者の安全義務違反を認め損害賄償を棄却
1994.04.25
【判決日:1993.05.10】
企業は安全管理尽くした
筆者:弁護士 安西 愈(中央大学講師)
事案の概要
本件は橋梁架設工事の下請負人である被告Y建設の現場監督から右橋の工事現場に行くよう指示されて、現場監督らとともに元請負人の本件橋梁工事現場作業場に行き、現場監督からの指示により床版設置用鉄筋を材料置場から搬送するため、K鉄筋所有のワイヤーロープ等の玉掛用具を使って鉄筋の束を玉掛し、K鉄筋所有のユニックトラックのクレーンを操作して吊り上げ、右トラックに荷積み作業中の労働者が、吊り上げた鉄筋の束が落下してその下敷となり、胸髄損傷の傷害を受けたので、雇用主である下請負会社と元方の大手企業の両社を相手に安全配慮義務違反として労働災害の損害賠償を求めたものである。
判決のポイント
本件原告である被災労働者は、…
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平成6年4月25日第2006号10面 掲載