日鉄鉱業事件(最三小判平6・2・22) 消滅時効の起算点はいつから じん肺権患者の慰謝料請求権 ★
1994.05.16
【判決日:1994.02.22】
行政上の最終決定のとき
筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)
事案の概要
炭鉱で働いた結果「じん肺」に罹患したとして、元従業員63名について、安全配慮義務違反に基づき、会社に対し総額20億6000万円の慰謝料を請求した。
第一審長崎地裁佐世保支部昭60・3・25判決は、20名について消滅時効が成立したとし、43名について9億9000万円余の支払いを命じた。第二審福岡高裁平元・3・出判決は、30名について消滅時効が成立したとし223名について12億7000万円余の支払いを命じた。
判決のポイント
本件はその上告審である。
雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺に罹患したことを理由とする損害賠償請求権の消滅時効は、最終の行政士の決定を受けた時から進行するものと解するのが相当である。…
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平成6年5月16日第2008号10面 掲載