名海運輸作業事件(名古屋地決平5・2・12) ユ・シ協定締結組合から脱退 新組合を結成した者の解雇は
1994.05.30
【判決日:1993.02.12】
解雇権の濫用にあたり無効
筆者:弁護士 中山 慈夫(経営法曹会議)
事案の概要
本件は解雇の仮処分事件であり、争点のうちユニオンショップ協定(ユ・シ協定)と解雇の論点に関する事実は次の通りである。
会社とA労働組合との間では、組合員がA組合を脱退しまたは除名された場合、会社は当該組合を解雇する旨のユ・シ協定が締結されており、これを受けて会社就業規則でも解雇事由として「組合の除名」が規定されていた。Xら4名は会社入社以後A組合に加入していたが、平成4年3月に至りA組合を脱退し新たにB組合を結成したため、A組合は組合大会でXらの除名決議を行った。そこで会社は「除名」を理由にXらを解雇したので、解雇の効力が争われたものである。
決定のポイント
ユ・シ協定のうち、…
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平成6年5月30日第2010号10面 掲載