東京コムネット事件(東京地判平5・5・14) 移籍した社員への退職金の支払い義務は転籍元か先か

1994.07.04 【判決日:1993.05.14】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

在籍期間に応じ双方で負担

筆者:弁護士 安西 愈(中央大学講師)

事案の概要

 本件は、親会社から分離独立した子会社に移籍した従業員らが、その退職金につき、親・子会社間における通算勤続期間に対応する退職金の支払いを子会社に求めたものである。

 被告X社は、平成元年3月23日、バックグラウンドミュージックの企画、制作及び配給等を目的とし、事業目的を同じくするA株式会社から分離独立して設立された会社であり、原告らは、親会社のA社に入社し勤務した後、被告X会社設立時又は設立後に被告会社へ移籍したものである。

 退職金に関する移籍条件として、A社と設立中の被告X会社との間で、退職金算定の基礎となる勤続年数を両社の通算勤続年数とする旨の合意がされた。そして、その後親会社のA社が破産してしまった。問題は、原告らが右退職金の支払いについて、A社と設立中の被告会社との間で、被告会社が退職金合計額の支払い義務を負担し、右両社の内部負担の割合をその在籍期間の比とする旨の合意がされたと主張するのに対し、被告会社は、右両社が退職者に対しその在籍期間の比により退職金支払い義務をそれぞれ移籍社員に対して負担する旨の合意がされたと主張して争われたものである。

判決のポイント

 子会社である被告会社を設立するに当たって、…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成6年7月4日第2015号10面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。