フットワークエクスプレス事件(京都地判平6・3・15) 部下の不正受給に関与した店長を懲戒解雇できるか? ★
1994.07.25
【判決日:1994.03.15】
秩序維持の観点からOK
筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)
事案の概要
Xは、貨物自動車運送業を業務とするY社のA店の店長として勤務していたが、A店には4名の運転手(正社員)が所属していた。Y社では、能率給手当および時間外勤務手当は、配達枚数、集荷枚数による点数制によって算出されていたが、各運転手ことに作業実績月報が作成され、主管支店へ報告されていたところ、4名の運転手の月報に記載されている配達枚数、集荷枚数が異常に多いことを発見したので、Y社は、Xおよび4名の運転手から事情聴取すると共に資料の調査を実施した。その結果、運転手が能率給手当、時間外勤務手当を不正に受給していたこと、Xもそれに関与していたことが判明したので、Y社はXを懲戒解雇した。これに対し、Xは、懲戒解雇を不当として訴訟を提起した。
判決のポイント
本件不正受給の態様およびそれに対する…
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平成6年7月25日第2018号10面 掲載