日鏡商事事件(東京地決平6・3・17) 出向元に退職願を提出、移籍した者が雇用解除を受けたら
1994.08.08
【判決日:1994.03.17】
出向元への“復帰”はない
筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)
事案の概要
甲は、もと会社(日鐵商事株式会社)の従業員であり、富士機鋼株式会社に出向していたところ、平成3年9月30日、会社に退職願を提出し、富士機鋼に移籍した。その後、甲は富士機鋼から、平成4年11月25日、雇用解除の通知を受けた。
甲は会社と富士機鋼との出向契約解除等により、会社従業員の地位に復帰したと主張して労働契約上の権利を有する地位の保全等を求めた。…
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平成6年8月8日第2020号10面 掲載