ベルコ(労働契約申込みみなし)事件(札幌地判令4・2・25) 葬儀会社の代理店従業員、委託元と雇用関係? 無許可派遣で「みなし」対象
2022.09.22
【判決日:2022.02.25】
冠婚葬祭業務を請け負う代理店の従業員が、委託元に対し未払賃金等を求めた。札幌地裁は、自己の労働者を自ら直接利用するか、請け負った業務を独立して処理するかのいずれにも該当する場合を除き、派遣に当たると判示。指揮命令関係から無許可派遣と判断した。委託元とは雇用関係がないとの書面を提出させ、労働契約申込みみなしの権利行使を妨げたとして慰謝料を命じた。
指揮命令から判断 権利行使妨げ違法
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
被告ベルコは、互助会員募集業務等を株式会社仁智および株式会社ライズに委託し、少なくとも形式的には、仁智の下で原告a、原告bおよび原告cが就労し、ライズの下で原告dが就労していた。
本件の請求は、多岐にわたるが、(紙面の関係上一部省略)、一部認容された本件の予備的請求は、原告らが、被告ベルコは法令の規定に反して労働者派遣の役務の提供を受け、もって原告らに損害を与えたなどと主張して、被告ベルコに対し、不法行為に基づき、それぞれ損害金等の支払いを求めたものである。
判決のポイント
労働者派遣法にいう労働者派遣事業に該当するか否かを判断するに当たっては、…
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令和4年9月26日第3370号14面 掲載