セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン事件(東京地判令4・3・30) 直行直帰のMRに事業場外みなし制を適用は? 労働時間算定し難いと認定
2023.01.12
【判決日:2022.03.30】
事業場外みなし制を適用され直行直帰で働くMR(医療情報担当者)が、労働時間は把握可能として割増賃金を求めた。東京地裁は、労働時間を算定し難いとしてみなし制の適用を認めた。訪問先は裁量に委ねられ、業務報告も軽易だった。スマートフォンで顧客管理システムにログインし出退勤時刻を打刻していたが、同システムは業務予定を入力するものではないとした。
訪問予定自ら決定 業務報告も軽易で
筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)
事案の概要
被告は、医薬品の製造・販売等を業とする株式会社であり、原告は、医療情報担当者(MR)として就労した。被告のMRは、医療機関を訪問して、被告の扱う医療用医薬品等の医薬情報を医療関係者に提供し、また、医薬品の有効性・安全性に関する情報を医療現場から収集して報告することを主な業務としていた。原告は、被告に対し、未払割増賃金、未払賞与、付加金、慰謝料等の支払いを求めたが、本判決は、原告の請求を棄却した。
判決のポイント
労基法38条の2第1項によれば、事業場外労働みなし制を適用するためには、…
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令和5年1月16日第3384号14面 掲載