T大学事件(東京地判令3・3・18) 通勤手段を偽り手当受給、退職願出さず解雇に 退職金出る懲戒免職は有効
2023.03.02
【判決日:2021.03.18】
通勤手当を不正受給したとして、懲戒免職(依願退職)となった准教授が、退職願を出さず懲戒解雇されたため地位確認等を求めた。通勤届の電車でなくバイクを利用していた。東京地裁は、不正は採用当初から6年以上にわたり、約200万円の損害も多額などとして請求を退けた。処分歴がないことを考慮しても、退職金が支給される免職処分は裁量権逸脱に当たらない。
採用当初から不正 裁量権の逸脱なし
筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)
事案の概要
大学の准教授の地位にあった原告が、通勤手当を不正に請求したなどとして、被告法人から免職処分とされたが退職願を提出しなかったため懲戒解雇されたことについて、同処分は懲戒権を濫用したものであり無効であるとして、労働契約上の地位確認等を求めた事案である。
判決のポイント
使用者が労働者に対して懲戒処分をするに当たっては、…
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令和5年3月6日第3391号14面 掲載