石塚証券事件(平5・1・21東京地判) 協定書の作成拒否は不当労働行為に当たるか ★

1993.03.29 【判決日:1993.01.21】
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労使の「作成に同意」が原則

筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)

事案の概要

 原告は証券会社であり、被告補助参加人である大阪証券労働組合の石塚分会は、昭和59年当時、原告の従業員約50名のうち約20名を組織していた。

 原告は、昭和57年3月8日の団体交渉において、参加人の要求書に対する回答書を作成して手渡したが、3月18日の団体交渉では、回答書の内容を協定書に作成せよとの要求に対し、現役員は全員辞任することになったので協定書を作成する権限がないとして協定書の作成を拒否した。その後就任した原告の新社長は、4月16日、右回答書の内容を修正しなければ協定書を作成できないと述べ、参加人が修正に応じなかったため、協定書の作成を拒否した。

 大阪地労委(初審)及び中労委(再審)は会社(原告)に対し回答書の内容で協定書を作成するよう命じたが、会社はその取り消しを求める行政訴訟を提起した。

判決のポイント

 「労組法14条が、労働協約の効力発生要件として、これを書面に作成した上で、両当事者が署名又は記名捺印することを要すると定めたのは、労働協約には…

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平成5年3月29日第1954号10面 掲載
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