東京貯金事務センター事件(平5・3・4東京地判) 電車遅延を理由とする遅刻年休振替を認める必要は? ★
1993.06.14
【判決日:1993.03.04】
使用者の裁量の範囲に
筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)
事案の概要
Xは、東京貯金事務センターに勤務していたが、4回にわたり遅刻をし、勤務時間中に組合事務室へ入室して19分間服務せず、合計で52分間の欠務があったため、当局は1時間分の賃金の1447円を減額した。
Xは、右の各遅刻はいずれも通勤に利用している電車の遅延(平成元年2月23日はストライキによる電車遅延)によるものだから、特別休暇又は年次有給休暇として処理されるべきであったとして、減額された賃金およびこれと同額の附加金(労働基準法114条)の支払いを請求するとともに、右の各欠務およびその後の同様の4回の遅刻につき訓告を受けたのに対し、その訓告は違法であるとして慰謝料10万円の支払い等を求めて訴訟を提起した。
判決のポイント
1、郵政事業職員勤務時間、休憩、休日および休暇規程48条3号の「その他交通機関の事故等の原因により出勤不可能な場合」とは、…
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平成5年6月14日第1964号10面 掲載