みちのく銀行事件(平5・3・30青森地判) 賃金削減を含む高齢者への労働条件変更に合理性は?
1993.10.25
【判決日:1993.03.30】
「高度の必要性」なければダメ
筆者:弁護士 中山 慈夫(経営法曹会議)
事案の概要
本件は、銀行が2度にわたり高齢者(55歳以上)従業員を対象に賃金削減を含む労働条件の変更を就業規則により行ったため、その適用を受ける原告ら6名が就業規則の不利益変更の合理性を争ったものである。主な変更内容は次の通りである。
1、昭和61年5月に専任職制度実施――①55歳に達した一般行員はライン上の役職から外れ、新たに設けた特命事項を担当する専任職へ移行する②専任職は基本給凍結・役職手当・管理職手当も廃止となるが、新たに専任職手当を支給する。
2、昭和63年4月に新専任職制度実施――5年間で段階的に③専任職手当を廃止④基本給のうち業績給を50%削減⑤賞与支給率を300%から200%に削減する。
判決のポイント
本判決は、原告らの賃金に関し②の基本給凍結により凍結しない場合と比べ約15%滅少、④と⑤により約20~30%減少すると認定したうえ、…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
ジャンル:
平成5年10月25日第1982号10面 掲載