広麺商事事件(平2・7・27広島地判) 退職直後に懲戒解雇事由が発覚した者の退職金は ★

1992.07.06 【判決日:1990.07.27】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

「規定」なければ拒めない

筆者:弁護士 中山 慈夫(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、就業規則上の退職金不支給規定の点検・見直しの参考となるので紹介する。

 この会社の就業規則によると、退職金は勤続年数に応じて

5年未満      0
5年以上8年未満  基本給月額の3カ月分
8年以上10年末満 6カ月分
10年以上13年未満 12.5カ月分

 となっていたが、特に懲戒解雇された者には退職金を支給しない旨定められていた。

 会社の従業員3名は、同時期に退職し、いずれも勤続年数5年あるいは10年以上であるとして右退職金規定に基づき、退職金請求をした。しかし、会社は右3名の背信行為を主張し退職金請求を拒んだため、3名が退職金請求訴訟を提起したものである。

 会社は、3名が①会社を倒産させる目的で同時期に退職通知をしたこと、②就業規則上退職の効力発生は退職通知から14日を経過した日となっているにもかかわらず、退職通知以降、別企業の仕事に従事し、会社業務を全く行わなかったことを指摘し、3名のかかる行為は、就業規則の懲戒解雇事由に該当し懲戒解雇に処せられるべき行為であるから、3名には退職金請求権はないと主張したのである。従って、会社の退職金規定上――懲戒解雇処分をしていなくとも――懲戒解雇事由に該当する行為がある場合には、退職金の支払いを拒めるかということが問題とされた。

判決のポイント

 本判決は次のように判示して3名の退職金請求を認めた。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成4年7月6日第1919号10面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。