羽後銀行事件(平4・7・24秋田地判) 完全週休2日制移行に伴い特定日を60分延長 ★
1992.10.12
【判決日:1992.07.24】
不利益変更だが合理性ある
筆者:弁護士 宮本 光雄(経営法曹会議)
事案の概要
U銀行では、政令により平成元年2月から銀行の完全週休2日制が実施されることを控え、昭和63年12月、併存する2つの組合に対し、①全土曜日を休日とする、②毎週初めの営業日及び毎月25日以降月末までの営業日の終業時間をそれまでの4時50分から1時間延長して5時50分とする等を内容とする就業規則の改定案を提示した。
この提案について、一方の組合とは一定の修正で合意ができたが、他方の組合とは合意にいたらなかったため、平成元年2月1日からこの変更就業規則を施行し、合意していない組合および組合員らに対してもこの就業規則を適用した。
そこでこの組合員らが旧就業規則にもとづいて計算した時間外勤務手当から現実に支払われた時間外勤務手当を差し引いた残額の支払いを求めて訴えを提起した。
判決のポイント
改正就業規則は、土曜日をすべて従業員の休日とする一方で、平日のうち週初の営業日(特定日)の終業時刻を従来の午後4時50分から午後5時50分に変更するものであり、これにより特定日の所定労働は60分延長され、しかも、…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
ジャンル:
平成4年10月12日第1932号10面 掲載