東京ビジネス学園事件(平4・2・9東京地決) 職務能力不足・勤務状況不良管理者の普通解雇は
1992.10.19
【判決日:1992.02.09】
“不完全履行”理由にOK
筆者:弁護士 安西 愈(中央大学講師)
事案の概要
本件は、職務能力に乏しく、勤務状況も不良であることを理由になされた私立専修学校(会社が経営)の理事長室長兼営業部長に対する解雇の効力が争われたものであるが、本決定はこれを有効なものとした。
すなわち、学校(経営主体の会社)は右のごとき管理職として本人を中途採用したが、同人は、入社後数カ月を経過しても仕事の内容を理解できず、注意されると「ちょっと待ってください。まだ3カ月しかいないのでよく解らない」といったことを言うばかりであり、このため、同人の「ちょっと待ってください」という言葉は、職員間で、仕事のミスをしたり遅れたりしたときに冗談で言う流行語になったほどであった。
また、会社の経営する学校のシステム、教育内容、入学希望者への案内の仕方について理解できず、…
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平成4年10月19日第1933号10面 掲載