日本通運(川崎)事件(東京高判令4・9・14) 有期雇用は上限5年まで、雇止め有効の一審は 不更新条項への合意認める
2023.06.15
【判決日:2022.09.14】
1年間の有期雇用契約を締結し、明示していた5年の上限に達したため雇止めした事案。地位確認請求を退けた一審と同様に、東京高裁も不更新条項は有効であり、更新の合理的期待を否定。元従業員は上限条項の説明を受け十分認識しており、自由意思に基づかず合意したとはいい難いとした。無期転換権や雇止め法理を定めた労契法の適用を回避、潜脱するとはいえない。
認識して契約締結 労契法に反しない
筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)
事案の概要
本件は、平成25年6月に期間1年の有期雇用契約を締結した後、平成26年、27年、28年、29年の各6月に契約を更新し、当初から明示されていた5年が上限である旨の契約条項に基づき、5年の期間満了日である平成30年6月で雇止めをされた従業員が、雇止めは無効であるなどと主張して、雇用契約上の地位確認等を請求した事案である。
一審(横浜地裁川崎支判令3・3・30、本紙第3346号)は、請求を棄却し、一審原告が控訴した。
判決のポイント
労働契約法18条の規定…が導入された後も、…
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令和5年6月19日第3405号14面 掲載