日ソ図書事件(平4・8・27東京地判) 男子と同等の業務に変わった女子の賃金の扱いは
1992.11.23
【判決日:1992.08.27】
適切な格差是正措置が必要
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
Y会社は、主としてロシア語書籍の輸入販売を業とする会社であり、Xは昭和40年12月1日からY会社でフルタイムのアルバイトとして働き、昭和41年3月以来正社員となり、それ以後昭和63年1月30日に定年退職するまで約22年間勤務した。右勤務の期間中、Xは勤務内容、責任、技能等いずれの点においても、勤続年数及び年齢が比較的近い男子社員と比較して劣らなかったにもかかわらず、低い基本給の支給しか受けず、その結果在籍期間中の基本給、期末手当及び退職金について違法な格差が生じたとして、右差額分を求めて東京地方裁判所に提訴した。
判決のポイント
東京地裁は以下のように述べてXの請求を一部認容した。
①労基法4条に違反する賃金差別は違法であって、…
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平成4年11月23日第1938号10面 掲載