高洋・三共運輸事件(平4・6・29大阪地判) 時間内組合活動に対する賃金保障の解約は不当労働行為か

1992.12.21 【判決日:1992.06.29】
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規範的効力はなくOK

筆者:弁護士 宮本 光雄(経営法曹会議)

事案の概要

 K社及びS社と運輸一般労組関西地区生コン支部に属する2つの組合は、時間内組合活動等に対する賃金保障協定ならびにストライキなどのための不就労時間の取り扱いに関する協定を締結していたが、両社は、組合のスト体制戦術により長期間操業惇止に追い込まれながら本給カットもできない状態が続いたため組合に対し協定の解約を通告し、その後原告らに対しスト及び時間内組合活動に対する賃金カットを行った。

 これに対し組合は、本協定の解約は無効であり、不当労働行為であるとしてカット分の賃金の支払いを求めて訴えを起こした。

判決のポイント

 1 労働協約の中で労働条件を定めた条項は規範的効力を有するが、それは労働契約を外から規律するのであって、労働契約の内容となるものではない。…

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平成4年12月21日第1941号10面 掲載
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