日本クリーン事件(東京高判令4・11・16) 労働組合へ相談し情報漏えいしたと諭旨退職に 懲戒処分相当でも重過ぎる
2023.12.07
【判決日:2022.11.16】
マンション清掃中のトラブルを社外労組へ相談した組合員に対し、顧客情報の漏えいを理由とした諭旨退職を無効とした事案の控訴審。組合HPで委託元の名称等が表示されていた。東京高裁は、重大な非違行為だが会社の社会的評価への影響は限定的等として処分は重きに失し無効とした。組合員は守秘義務に基づき企業名等を匿名化する注意義務を負っていたとしている。
社会的影響も考慮 守秘義務反するが
筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)
事案の概要
控訴人(一審被告)は、建物管理業等を営む会社である。従業員である被控訴人(一審原告)は、清掃作業員の作業ミスに端を発したトラブルについて、所属する労働組合に相談したところ、組合がこのことを議案書に記載して定期大会で報告したうえ、組合のホームページに議案書を掲載した(本件掲載)。被控訴人は、職務上知り得た情報を外部に漏えいしたとして、控訴人から諭旨退職の懲戒処分を受け、退職届の提出を求められたがこれに応じなかったため、普通解雇されたことにつき、解雇は無効であると主張して、雇用契約上の地位確認等を求めた事案である。
一審(東京地判令4・1・28)は、本件懲戒処分には懲戒事由があるが相当性を欠き、解雇は無効であると判断し地位確認等を認容したところ、控訴人会社が控訴した。
判決のポイント
本件掲載に係る懲戒事由は、…
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令和5年12月11日第3428号14面 掲載