損害賠償等請求本訴等事件(最三小判令6・4・16) 技能実習先を訪問、事業場外の時間どう算定? “みなし”否定した原審破棄 ★
2024.06.13
【判決日:2024.04.16】
外国人技能実習生の指導員に、事業場外みなし制の適用があるか争われた訴訟の上告審で、最高裁は、労働時間を算定し難いといえないとした原審を破棄。審理のため差し戻した。業務日報に関して原審が指摘した訪問先への記載内容の確認は、現実的可能性や実効性が明らかとはいえないとした。携帯電話を貸与していたが、随時具体的に指示を受けたり報告することもなかった。
日報は正確性不明 電話で指示もなく
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
本訴請求は、上告人(外国人の技能実習に係る監理団体)に雇用されていた被上告人(指導員)が、上告人に対し、時間外労働、休日労働および深夜労働に対する賃金の支払いを求めたものである。上告人は、被上告人が事業場外で従事した業務の一部(以下「本件業務」という)については、労基法38条の2第1項(以下「本件規定」という)にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるため、被上告人は所定労働時間労働したものとみなされるなどと主張し、これを争っている。
判決のポイント
1 被上告人は、平成28年9月、外国人の技能実習に係る監理団体である上告人に雇用され、指導員として勤務した…。被上告人は、…
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令和6年6月17日第3453号14面 掲載