オリエンタルモーター(割増賃金)事件(東京高判平25・11・21) ICカード打刻時間を労働時間と認定した一審は? 入退場した履歴に過ぎない

2014.09.01 【判決日:2013.11.21】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 元従業員の時間外割増賃金請求に対し、入退場を記録するICカードにより労働時間を認定した一審を不服として会社が控訴。東京高裁は社内での滞留時間を示すものに過ぎないとしたうえで、日報作成のために残業を命じた証拠はなく、早朝の掃除や朝礼への参加も任意であり、所定労働時間外に労務提供したとはいえないとして一審を取消した。

朝礼や掃除は任意 指揮命令下でない

筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、平成22年4月1日にY社に入社後、本社での実習を経て同年5月1日付でA支社営業部営業課に配属になり、6月14日から8月12日までG事業所で生産実習に従事し、同月17日から再びA支社の同じ部署に戻った。

 Y社では、始業・終業時刻の合図はチャイムによって行われ、従業員が会社構内への入退場の際には、必ずICカードにより入退場時刻を記録し、終業時刻後に会社の設備を使って資格取得のための勉強その他の自己啓発活動をする場合は、活動を終えて会社構内から退出する際に退場時刻を記録することになっていた。時間外勤務または休日勤務は、課長以上の管理職が従業員に、指示内容や指示時刻などを記載した指示書に署名して交付する方法により指示し、管理運用されていた。

 Xは、平成23年1月5日から出勤しなくなり、そのまま同年3月31日に退職したが、平成22年7月から12月まで、常時1時間ないし5時間程度の残業をしていたとして、未払賃金および付加金の支払いなどを求めて提訴した。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成26年9月1日第2983号14面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。