70歳定年を67歳に引下げ、大学教授が無効と訴える 代償措置十分とはいえない 大阪経済法律学園事件(大阪地判平25・2・15)
2014.02.17
【判決日:2013.02.15】
定年を70歳から67歳に引き下げる就業規則の変更を無効として、大学教授らが地位確認などを求めた。大阪地裁は高齢に偏った教員の年齢構成を是正する必要性は認めたが、定年を段階的に引き下げたり割増退職金を支払う代償措置等を十分尽くさず合理性を有さないと判示。67歳以降の再雇用制度は不利益の緩和措置とはいえないとした。
変更の合理性なし 一部再雇用しても
筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)
事案の概要
本件は、被告が設置する大阪経済法科大学の教授である原告らが、被告が就業規則を変更して教授の定年年齢を満67歳に引き下げたのは無効であるなどとして、定年を満70歳の誕生日の属する年の年度末までとする雇用契約上の権利を有する地位の確認並びに被告の主張する定年退職日を過ぎた原告2人について、原告らが主張する定年退職日までの賃金および一時金の支払いを求めた事案である。
判決のポイント
就業規則の変更が有効であるといえるためには、当該変更によって労働者が被る不利益の程度、使用者側の変更の必要性の内容・程度、変更後の就業規則の内容自体の相当性、代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、労働組合等との交渉の経緯、他の労働組合又は他の従業員の対応、同種事項に関する我が国社会における一般的状況等を総合考慮して、当該変更が合理的であるといえることが必要である(最判平9・2・28)。…
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平成26年2月17日第2957号14面 掲載